2016年版 FN仕様ライブDio-ZXについてのまとめ その2



さて、前回のコンテンツに引き続き「FN仕様ライブDio-ZX」のまとめになりますが…

2016とかタイトルに入れておきながらココ書いてるのはすでに2017年です(笑

前回はエンジンと駆動系の基本を記しましたが、今回は他の箇所を記して行きたいと思います。

…全2回で終わりそうに無いのですが(汗

あ、それと一応前回同様の注釈を入れておきますのでよろしくです↓


※当コンテンツより以前にある駆動系構成等に関しては、すでに10〜15年以上前の物になって

おりますので、今回の最新コンテンツとは趣が異なるといった点にはご留意下さい。


※そして最初に記しておきますが、結果的に「速ければ良い」「細かい事やっても無価値」といった

思考形態の方であればこんなコンテンツを読んでも時間と人生の無駄なのでスルーして下さい。

私はココに訪れる方々に困ったり迷ったり損をして欲しくないが為にこれを記している、と

いった点、何卒お忘れなき様にお願い致します。



※いつものコンテンツ内目次リンクです。



・点火系、CDI等


単なるプラグ(笑


さて、まずはエンジンに力を発生させる為の「燃焼圧力波」の基となる三大要素の一つである「点火系」

ついて記してみます。

しかしあくまで「FNマシン」といったカテゴリーなので単なる点火系といえども改良、変更出来る点は

限られており、レギュレーションでは下記の様な点の変更が認められていますね。


と、これらの変更が認められますが詳細はまるち杯準拠なのでレギュレーションブックを

「曲解しない様に」読むのが一番です。


ではまずCDIから行ってみたいと思いますが…「スクーター改造」のコンテンツ内でも解説していますが、

基本的に社外品CDIは「点火力」が弱いといった傾向があり、「点火時期」そのものが純正CDIと

同じCDIを選ぶのであれば、点火が弱いだけの社外品CDIなんて何の価値も無い、という事になります。

もちろん、社外品CDIでもノーマルエンジンのピークの出る7000rpm近辺が純正CDIに比べて進角して

いる物も存在しますが、「2〜3°程度の進角」でも点火力そのものが弱いと点火時期がノーマルで

点火力が強い(とはいってもそれがノーマル純正)方がパワーが大きい場合も多々ありますね。


他のコンテンツでも記していますが、単純なアナログCDIの場合だと大抵の社外品メーカー製CDIは

点火時期がノーマルと同じで点火力だけ弱いといった仕様が大半です。

もちろん、ノーマル純正では8000rpm程度で動作する回転数リミッターがある物もありますが、それが

無い純正CDIもいくつかあるので基本的にはそういったモノを用いるべきでしょう。

代表的な品としてはもはや流用の定番となった「キャビーナ用CDI・30410-GBB-000」がありますが、

これはすでに純正在庫が残りわずかな上、中古相場も誰が言ったのか知りませんが流用の幅があると

なるという事で阿呆みたいな御値段になってます_| ̄|○


…なので、ここではキャビーナCDIではなく、他の純正流用CDIが無いかと考えられている方々の為に

その希望を打ち砕く様な悲劇的な結論をご紹介しましょう(爆

なお私が色々と実験したところ、以下の3種類の純正CDIにてリミッター無しを確認しています。

あ、これはもちろんDC電源駆動の物であってライブDio系以降の年代のモデルの物ですよ。


と、この3種類は回転リミッターは存在せず、かつジャイロUP用とリード100用はライブDio-ZX中期型以降の

6Pカプラーに対しピンアサインがボルトオンで対応しています。

GCH品番の規制後ライブDio用は真ん中の赤黒線をずらすだけでボルトオンですね。

なお注意したいのが、規制後ライブDioのCDIのみはライブDio系で言うところの「ピンク線」、すなわち直結

防止回路がきちんと配線されていないと動作しない点には注意が必要です。

実質、ライブDio系初期型のピンク線なしハーネス車も現在ではかなり小数派ですからあまり意味は

無いと思いますが、ライブDio系初期型車の場合だとこれらのCDIをボルトオンで装着する事が出来ないので

キーボックスを中期型以降の物にするか、ピンク線へキーONでDC9Vが流れる様にすればOKですね。


各種純正CDI これらが現物ですが左から規制後ライブDio用、規制後ジャイロUP用、リード100用となります。

…なんとなくでかい方が賢くて火が強い、といったイメージがあるのは気のせいでしょうか(笑

とはいってもこの3種の純正リミッター無しCDIが全部使えるのか、といえばそうでは無いという(泣


で、この3種類のCDIですが実際に点火時期を計測した結果を下記に記してみます。



・規制後ライブDio用 「30410-GCH-003 刻印 GCH」


 〜9000rpm辺りまでノーマルと同じBTDC14°固定、実質ノーマル&キャビーナ同等


・規制後ジャイロUP(DC点火モデル)用 「品番不明 刻印 GM6-J0」


 〜9000rpm辺りまでノーマルと同じBTDC14°固定だが、一度アクセルを閉じて開け直した

   場合だと5000rpm辺りからBTDC10°程度までぐっと遅角してしまう

   1個しか実験していないので故障の可能性があるが本当にこの特性だと使えない


・リード100用 「30410-KFH-008 刻印 KFH」


 アイドリングでBTDC13°、4000rpm辺りでBTDC8°まで遅角、6000rpm〜はBTDC7°程度まで

 遅角していき、ピーク時の7000rpmでは点火時期が遅すぎて役に立たない


と、かなり期待はずれの点火時期になっているのが見て取れると思いますよ_| ̄|○

規制後ライブDioの物のみは、ピンク線さえあれば実質キャビーナとCDI同等の特性と点火力を発揮し

リミッターもなくキャビーナCDIとなんら遜色の無い走行感覚でした。

…中期型以降のハーネスを用いている車両にお乗りの方は無理にキャビーナCDIではなくこっちでも

普通にイケます、とだけは言っておきますね。


規制後ジャイロUPの物は私の使った物が中古でおかしくなっていたのかもしれませんが、普通に

回転を上げるだけだと全く問題無いのに、一度アクセルを戻してから再度開けると4°近く遅角して

しまっており、肝心な7000rpm近辺での再加速のレスポンスが悪いといった結果でした。

ジャイロ系の純正CDIはこれのみではなくGAGとか他の品番もありますが…個人的にはあまり

期待が出来なさそうなのでこれしか実験しませんでしたが(泣

ただ、元々のCDIのサイズがでかいのも鑑みるとあえて商用車として再加速時にパワーダウンする

特性を付与している可能性も0ではないと思いますが…私はジャイロ系はCDIとなると専門外なので

ジャイロマニアの方なら各種純正CDI特性を知っているかも、とは思えます(汗


最後に何となく良さそうなリード100用のでっかい純正CDIですが…結論としてはこれが一番ダメで

使い物になりませんでした。

リード100のサービスデータだとアイドリング時にBTDC21°とはなっていますが、点火時期ってのは

フライホイールのピックアップマグネットの位置や回転速度から設計して決める物なので、単純に

カタログデータが○°だから何にくっつけても同じ、とは行かないものなんですね。

ライブDio系エンジンにおいて7000rpmにBTDC7°なんてパワーが出る出ない以前の問題ですし。

正直、BTDC14°でも遅いと思うのにこれではどうにもならない、という_| ̄|○


とまあ、ざっくりですが3種類の純正CDIを試した結果を記してみました。

…んなもんだらだら書かずにどれが使えるかだけ書けと思われるかもしれませんが、それでは私が

記す文面としては面白くないので(笑

ピンク線を持つキーボックスを用い、ピンク線をきちんとCDIへ入力するのであれば規制後ライブDioの

純正CDIはキャビーナ同等、と言いますかノーマル点火力を保ったまま点火時期も同じという事に

なるので、とりあえずはコレで良いかな、と私は思いますよ〜


それともう一つ、DC点火車用途の社外品デジタルCDIならば、7000rpm近辺にてノーマルより進角している

物も存在しますが…デイトナパワーアドバンスはBTDC18°なんですが点火の不安定さがあるので

推奨は出来ませんが、POSHデジタルのMAP1と2ならBTDC22°と20°なので多少のパワー感は出ます。

ただし、計測上の点火時期の進角ほどにはパワー感は出ておらず、実際の加速や最高速ではちと

不満があるので…使い方によっては良いのかもしれませんがエンジン本体をいじくれないFN車の

場合だと、点火時期を進ませるよりも点火力の強さを主眼に置いたほうが建設的である、と私は

結論付けておりますよ。

もちろん言うまでもありませんがこのデジタルCDIは2個とも低回転ですらタイミングライトの光がかなり

バラッバラでワープしまくるという仕様なので、安定感は無いと割り切るべきでしょう。

(※当然、点火時期測定時には安定を求めてノーマル発電ではなくCDIへDC電源を直接入力させています)


そしてCDIに関してもう一つ、これは今まで公開していませんでしたが最後の手段とも言うべき物が

あったりしますね。

ちょっとインチキくさいのですがそれがコレ↓になります。


初期型NSR-mini用CDI

何この弁当箱?と思われる方が多いとは思いますが、これって2000年頃に発売されたHRCのNSR50ベースの

レーサー、「NSR-mini」の最初期型の純正、HRC製CDIなんですよ。

点火マップが8種類選べる完全DC駆動DC点火のデジタルCDIですが、これはさすがにHRC製品といった

事もあり、計測中にタイミングライトがワープしたりはせずばらつきもなく、しっかりした点火を行えて

いました。


実際には私、過去にSS1/32mileマシンではコレを使っていたりしましたし、さらにそれ以前にはFNで

使ったりもしていたんですが…フルバッテリー点火だとあまりにもバッテリーの消費が大きすぎ

ニッカドでは30周程度しか走れない、という最大の弱点があったりするので(泣


点火時期としては、これもHRCはマップのグラフだけは公開していましたが実際に計測すると…

7000rpm近辺で一番点火時期が速くなるのがMAP5でBTDC20°まで進角出来まして。

さすがにこのCDIだと点火力も強く、実際にきっちり進角してもいるので加速感やレスポンスに関しては

文句のつけようがありませんが…ストレートが長いコースにてオーバーレブ領域、7500rpm〜とかまで

使わざるを得ないコースの場合は多少の頭打ち間を感じてしまいます。


ただ、この点に関しては今の時代ならばボスワッシャーでの調整が出来るのであまり問題にはならないと

思いますが、最大の難点として現在では手に入れようが無いという事なんです_| ̄|○

…私自身はコレを持ってはいますし分析もしていますが、自分だけコレを使ってFNで運用していくのは何か

違うのでは、と考えているので実際のレースにおいてはコレは使わず普通にキャビーナCDIです。

まだそれなりにタマ数があったとかなら話は別なのですが、NSR-miniでも最初の1年間位しか採用が無く

あまりの不評が故にAC発電&NSR80CDIに変更になった為にほとんど市場に出回っていません。

NSR50をmini化する、「HRCキット」というのも当時あったのですが、これに付属していたこの不評CDIを

捨てずに持っている人、となればさらに0に近いと思いますので…(泣


なお余談ですが、NSR-miniのフライホイールはライブDioの物をベースとして磁力を弱くし、クランク

シャフトの穴をNSRサイズに加工している物だったりします。

かつ、発電コイル&レクチファイアはライブDio系と全く同じ物を使っており、レーサーなのにこの巨大な

CDIを駆動する為の発電を行っている、といった仕様なんですね。

ただ、実際のM12等のレースの現場では大不評だったのはご存知の方も多いと思いますが(笑

…これに関しては色々思うところがありますがそれはもはや今更なので(略


ちなみにこの手のCDIって、前述の社外製デジタルCDIも含め「安定動作する電圧」ってのは12Vではなく

14.4Vである、といった点は注意が必要ですね。

基本、ライブDio系でもノーマルレクチからのDC出力は14.4Vが既定となっていますが、これをあまりに

下回っているとデジタルCDIで無くとも点火が弱くなる、といった点は注意が必要ですよ…



さてさて、CDIに関してはこんなところでしょうか。

…「スクーターチューン」のコンテンツ内でも触れていますが、回転リミッターを解除する為にあると

いった感じの社外品CDI、これが実際にはリミッターは解除されるが他の全てがノーマル以下といった

パターンが多い、というのがまさに子供騙しという(泣


で、それは置いておきまして次に点火系…と言いますかこれはハーネスも含むのですが、基本的には

ハーネスは改良して太い線を用いて作成し、かつ経路を短くした上で簡素化するのが定番ですね。

なお、私は昔は発電、充電コイルからの配線を残したままにしたり、片方もしくは両方をカットしたりし

コイルが電磁石になっている状態での回転抵抗がどうなるのかを色々試しましたが、正直ほとんど変化が

見られなかったので…一時からは発電充電も全てカットし、CDIへのDC14.4V供給はバッテリーを搭載して

そこからの電力で全てまかなっていましたね。


で、これが私が今使っているレーシングハーネスになります↓


なんとなく レクチファイアもヒューズもリーダーいなずまも一切無く、DC14.4Vオーバーの電圧をダイレクトにCDIへ流しています。

もちろんショートや過電圧防止の為にはヒューズ程度はあった方が良いのですが…

過去にヒューズが切れたのは+側配線の一部の皮膜が剥けていて、文字通りショートした時しかありませんでした。

かつ、純正系CDIを用いるならば多少の電圧変動なんて許容出来る「強さ」もあるので直結で上等、と私は判断していますね。


で、何か一部だけ目立つ赤配線になっていますが…これはバッテリーから燃料系とメーター照明を動作させる

為のDC電源線になります。

以前のコンテンツでも記していますが私はバッテリーのカットオフを忘れない為にACCで点灯出来る

メーター照明を生かしており、燃料計はあった方が便利なのでそのオマケですね(笑

ちなみにレギュレーションでは「メインキーでのエンジンON/OFF」が必須となっているので、キーボックスは

必須なのですが、配線経路を短くする為にメットイン部分にキーボックスを移設している方も居ますね。

私は何か感覚が変なのでそれはやってません(汗

あ、ハーネスの作り方というか配線図は過去のコンテンツを参照して下さいな。


で、ここで大切なのが…もう一つの電装系レギュレーションにて、まるち杯車両規則第9項にこうあります。


バッテリーの取り外し、変更は可。充電コイルの改造、変更は不可。

ただし、発電装置(ステーターASSY【図3C】、フライホイール【図3D】)は同一メーカー

市販50ccスクーターで通常購入出来るものへの流用変更を認める。

ただし無加工、無改造で装着できるものに限る。


と、こうあります。

これは本来ならば…ヤマハのリモコンJOGが発売された時に、ライブDio系と同じくDC点火に変更されており、

ややこしいリモコンユニット等の電装系のしがらみを無くす為、ボルトオン装着出来るローターベースと

フライホイールを3YK系のモノに変更する為の特例的レギュレーションだったんですね。

が、これだと単純にDC点火をAC点火にわざわざ変更してCDIを選べる、といったメリットしかありませんが

まだ社外品CDIが出揃っていなかった時代はこういったレギュレーションが無いとリモコンJOG系での

レース参加が難しかったという理由もあったりしますよ。


で、このレギュレーションでの一番のミソが、別にヤマハ系車両限定のレギュでは無いという点です。

要は、フライホイールおよびローターベース…はライブDio系の場合はベースが無くコイルだけなので、

50ccスクーターの他車種と互換があるのであれば別に変更しても良い訳なんですね。

その結果、こういった物↓を装着する事が可能になります。


AF18系コイル


…これはAF18系の発電コイルなんですが、取り付けボルト穴はライブDio系と同じなので

問題なく「ボルトオン装着」が可能なんです。

で、このコイルの最大のメリットは


コイルの鉄心部がライブDio系よりも短い為、フライホイール裏側磁石との

磁力干渉が一切起こり得ない

=完全なるインナーローター化が出来る


といった点になりますね。

ライブDio系の場合、3YK系のJOGに比べても単純にフライホイール裏側の磁石とコイル鉄心部の

磁力干渉はかなり強い為、それもエンジンレスポンス低下の一端を担っていたりします。

フライホイールの重さそのものではなく、磁力がキツくて回りづらい、という事ですね。

で、このAF18系コイルを用いる事により、フライホイールの回転抵抗はかなり軽くなるのでJOGに勝る

どころかJOGよりもフライホイール磁石の負担は軽く出来るんですよ。

もちろん、ノーマルエンジンという非力なパワーだと再加速時に変速回転数までの立ち上がりをかなり

改善する事が出来ますし、変速終了間際からオーバーレブ域での加速も結構改善されますね。


ただし、装着しているのはコイル部分のみなので発電も充電もしませんし、フライホイール外周にある

ピックアップマグネットでピックアップコイルにパルスを送る仕事しかしていません(笑

フルバッテリー点火方式を取っていないと採用出来ない仕様ではありますが、バッテリーの管理や充電に

手間を掛けるだけの価値は十二分にあります、とは断言出来ますね〜

と言いますか、フルバッテリー点火仕様を用いる最大のメリットはこれが出来るから、です。


なお、コイル自体の配線はありませんがレギュレーションにおいては第21項に


ハーネス類の取外し改造などは可。またはステーター部分のハーネスまでの変更を認める。

ただし、メインキーの取外しは不可とし、メインキーによりエンジン停止の操作をできるものとする。


とあるので、コイルの線を剥いてはいけませんがコイルの根元までの配線をカットする事はOKなんですね。

…別に配線があっても繋がなければ良いだけですし、繋いでも意味はありませんが(爆


この実質のインナーローターというかコイルカット仕様って、個人的にはかなり効果絶大でしたね。

これと2006年頃のレギュ変更、ボスワッシャーは社外品を用いてもOK、といった物を組み合わせれば

3YK型JOGとの性能差ってかなり現実的な物になってきた、というのは嬉しかった記憶がありますよ。


そしてこれらを駆動するバッテリーに関しては、基本的に12Vのバイク用バッテリーでもOKですが

私はラジコン用とかの7.2Vパックを直列で2機がけして14.4Vとして運用してます。

前述のMSR-mini用CDIとかもそうなんですが、こういったデジタル機器というかCDIでは基本的に

入力&駆動電圧は14.4Vが規定なので、負荷をかけた状態で12V強しかない普通のバッテリーよりは

そういった電源の方が安定して運用が可能になります。


私は現在ではニッケル水素電池の7.2V2機がけですが、近年は運用のリスクも安定してきたと思われる

リチウムイオン電池を使う方もおられますね。

走るたびに充電しないといけないといったデメリットはありますが、それでも完全なるインナー

ローター化を行える前提であればその程度は手間にはならないでしょう。



そして点火系の最後になりますが、ここいらは基本とも言えるプラグ&キャップをご紹介してみます。

とはいってもそこまで特殊なモノは使っていませんが…プラグはNGK R-7376を用いていますね。

完全なるレーシングプラグで結構高価ではありますが、この手のプラグは電極やアースフック部分が

素材的に「強い」ので、ノーマルエンジンである限りは数千kmとか使っても全く問題無いです。

なので初期投資程にランニングコストがかかるワケではありませんよ?

カブらせてダメにするなんてのもノーマルエンジンではまずありえないと言って良いですから。


…もちろん、標準的なイリジウムIXとかでも悪くはありませんが、基本的にこの手のプラグに無理矢理の

圧縮比UPを行ってヘッドに装着しています(笑

こればかりは燃焼効率云々を考えるとあまりやりたくは無いのですが、ヘッドを一切いじくれないと

いったレギュレーションがあるのでやむを得ませんね_| ̄|○


R-7376+4.5oスペーサー これが私のプラグですが、R-7376の8番に4.5o厚のスペーサーを噛ませています。(自作です)

もちろんヘッド容積も計測した上で圧縮比も算出しており、現状ではヘッド容積5.7ccになっており圧縮比は「7.5:1」としていますね。

もっと上げても行けるのは行けるのですが、プラグ側ではあまり無理をするとデンジャラスになるので、もっと圧縮比を上げたい場合は製造誤差で容積の小さいヘッドを探すのもベターでしょう。


プラグに関してはこれだけなのですが、さすがにレーシングプラグとまでは行かなくとも、標準的な

BR8HSと、B8EIX+プラグスペーサーの比較でも明らかに体感で分かる位パワー感は違いますんで。

理想を言えば体感のみではなく、デンジャラスにならない様に圧縮比を計算するのが良いでしょう。

(もちろん計測&計算方法は「スクーター改造」内のコンテンツを参照下さい)


次にプラグキャップ、これも色々試しましたが結果的には無難なところに落ち着いています。

ホンダ純正のレーサーに採用されているキャップで、CRプラグキャップと呼ばれている物ですね。


通称CR80プラグキャップ CRプラグキャップ、品番は画像の通り「30700-KA5-771」となります。

なお、端子側はダルマ端子タイプになりますがプラグとの接点の安定化と、確実に取り付けるといった意味合いではダルマ端子の方が良いですね。

当然のごとく低抵抗タイプですし、プラグ側も当然無抵抗ですからこれだけでもかなりの点火力の補正になりますよ。

後、プラグの「傘」はノーマルがほぼボルトオンでくっつけられるので忘れずに(笑



とまあ、これにて点火系のあれこれはひとまずおしまいです。

特筆すべきはAF18コイル流用によるインナーローター化ですが、バッテリーの面倒を見ないと

いけないデメリットはありますがそれをふまえてもかなりのプラスになりますんで。

ただし、これを行った場合には当然ですが変速回転数とかも変わるので各部調整は必須ですが。

…これがあるだけでもかなりの武器にはなるので、3YK-JOGを相手とするならば必須だな、と私は考えてたり。


ではでは次回は足廻り等の解説にしようと思いますのでよろしくです。

これを全部書ききる前にFNが廃れ無い事を祈ってますが(爆


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