駆動系の「熱ダレ」についての一考 補足の「実験」



いきなりですが、今回は前回のコンテンツの追記程度の内容になります。

とはいえ、今回も某所からネタを拾いまして…もうちっと深く実験結果を出してみるか、と思ったので

ちょっとした補足を付け加えさせて頂きますね。

…本当に最近は小さなネタに困らなくて嬉しいですが(笑


とはいっても特別大した事ではなく、いくつか例として挙げたスクーターチャンプの実験温度に対し、

もうちょっと実用的な環境で温度計測を行ってみました、ってだけです。

丁度季節も良かったので、サーキットにおいて私のライブDio-ZXにちょろっといじくったエンジンを

載っけて、ノーマル車ではなくもっと過酷なエンジンにてさらに真夏のサーキット走行、という条件での

実験を行ってみました。


ではまず、実験車両のスペックなんかをば。


・車両 ライブDio-ZX 49cc

・社外チャンバー+PWK28+腰上ちょっと加工+圧縮比7.8:1+コイルカット+混合仕様等のライトチューン

・駆動系構成 基本的にフルノーマルでトルクカム溝SPL加工+クレアセンター仕様+セッティングのみ

※熱による影響を及ぼしやすくする為に駆動系カバーへの穴あけ加工等は一切無し

・変速回転数 冷間時10800rpm 温間時10100rpm

・8月の真夏日にカートランド四国を走行 外気温 33℃〜 路面温度 55℃〜


といった感じの車両となります。

これはFNライブにストックエンジン改を載せただけのお遊び仕様ですが、少なくともノーマル車よりは

速くてパワーも出ていますし各部への負荷もでかいので、より一層シビアな条件になるかと思いますね。


車体はFNベースでちょいチューン 最近乗らないFNライブのエンジンを取り外した上で、ある程度

チューンしたエンジンを載せてみたのが今回の実験車両です。

クラス分けで言えばFS50?とも言える中途半端な仕様ですが。

腰下ノーマル他はパーツポン付けのカタマリなので大して

速くは無いのがミソです(汗

もちろん、一手間かければすぐ元に戻せる仕様ですよ。



あ、センタースタンドがあるのはトランポから下ろした直後であるというだけなので誤解無き様に(笑

フロントタイヤも最近お気に入りの3.50仕様なのでちと車体のバランスが悪いのも(以下略



さて、早速ですがこれで何をやるかは皆さんお分かりかと思いますが…

単純に走行後の駆動系パーツ温度を測るだけです(笑

ただし私はスクーターチャンプのデータとは違い、「実際の運用状態」において各部温度を計測していきますね。

計測器具に関しては、安モンですが「放射温度計」を使用しての実験です。

…これって実は「2台目」なんですけど、氷やお湯とかの温度計測の確認で無茶苦茶な誤差が無い事は

実証済みですので一応、そこそこの計測精度はあるとお考え下さいな。



では早速ですが、まずは走行していない状態での温度…ってこんなのは写真を出す必要もありませんが

ふつーに気温と同等ですので割愛します(笑

上記条件の通り、気温は30℃オーバーですのでおおむねそんくらい、と。


次に、エンジンを温めコースインし、駆動系に負荷を掛ける「攻める走り」ではなく、普通に街乗りを行う

スタンスにてマイペース走行し「駆動系の暖機」を行い、全開時の変速回転数が「温間時」での

数値と遜色ない「10100rpm」程度に落ち着いた時点で即ピットインし、すぐに駆動系カバーを外して温度計測を

行ってみた所…


駆動系暖機後のセンタースプリング温度 センタースプリング部分の温度は53℃となっていました。

…これだと個人的にはちょっと暖機が足らない、といっても

良い位の温度ですが、とりあえず「駆動系が真っ当な動作を

行える状態」だとこの位の温度である、と言う事ですね。



で、これだときちんとセンタースプリング部分の温度を測れていないんじゃねえの?と思われる方も

おられるかと思いますが、仮に「周辺温度」だとしてもそんな極端には変わらないモンですから(笑

数oずれた点を計測してもスプリング部分のみが数十度熱い、なんて事はありませんので。

一応、スクーターチャンプの記事と同じ計測方法ですしね。


さて、次はちゃんとタイヤも温め、そこそこのマジ走りを行い、ストレートではちゃんと速度を出し

コーナー前ではがっつりブレーキングをかましてコーナーを攻め、アクセルをOFFにしている時間も

ストリート走行とは比較にならないLVで短くし、アクセルの開け方も目一杯開けていき、立ち上がりでは

サーキット走法の定番である「リヤブレーキをわずかに引きずったままアクセルを開ける」といった

半強制キックダウンもわざと多用し駆動系に多大な負荷と熱を与えながら、コースを約15周程度にわたり

連続走行し距離にして約9750m、10km弱を「8割以上の時間でアクセル全開」な上に、猛暑の60℃近い

路面にて強引にコーナーを立ち上がりつつ疾走してみた訳ですが…


10km弱攻めた後のセンタースプリング温度 センタースプリング部分の温度は約74℃でした。

…私が考えうる最大限の劣悪環境にて超高負荷をかけた後の

状態計測ですが、いかがなものでしょうか。

温度的には思ったより上がっていないでしょう?

「最大変速させた状態で走り続ける」のではなく、実際に

駆動系を酷使しまくった状態でもこの位、という訳ですね。



で、前述のスクーターチャンプの温度であればサーキット走行後の車両で約65℃程度となっていましたが、

あれは駆動系のカバーに大穴を開けた車両で「基準となる温度」を測定していますからね。

ちなみに私の街乗りGダッシュ、駆動系カバーにはぼこぼこ穴を開けまくっていますがあれだと平均値で

65℃にはまず達さないLVです。穴が開いてたり冷却システムがあると効果的ってのは今更言うまでも(略

なので、今回の実験車両では、高い負荷をわざと掛けてどこまで温度が上がるかが第一目的だ、

という点は誤解無き様にお願い致しますね。

…とはいってもわずか10℃も変わらんモノでは何の変化も無いというのは私が言わずとも(以下略


ちなみに、これが温度的に100℃とか行ってるとすれば人間の素手では手を近づける事すらためらわれる

温度ですよ。「感覚」だとさすがにそこまで発熱していると感じた方はほぼおられないと思いますが、これって

かなり騙されやすいモノでして、体温より10℃温度が高い物を触ったとしても人間って「結構熱い」と感じて

しまう物ですからね(笑


例えば、45℃のお風呂とかであればかなり「熱い」と感じますし、70℃位のお茶だとグビグビと飲んだり

モロに指を突っ込んでも平気な人ってまずおられないでしょ?

湯飲みの淹れたてのお茶にずぼっと指を突っ込んだら「熱っ!」ってなるはずです。



そして、こんな状態ではありますが、私のライブDio-ZX改だと、こういったかなりの高負荷をかけたとしても

一切合財「タレ」の症状は起こりません

これも前回のコンテンツの通り、「変速回転数が一気に1000rpmとか極端に落ち込む」とかってのは全く

無い状態である、と言う事です。


実際には、ブレーキングやアクセルの開け方が多少違えば、コーナー立ち上がって変速回転数が一定まで

安定した状態だと「10000rpm」とか「10200rpm」とかには多少ずれたりもしますが、そんなモンは誤差の範囲で、

それすら無くせと言われるとほぼ不可能に近い、と言う事ですし、すぐに元に戻りますしね。

仮にこのまま1時間走り続けても、極度に変速回転数が落ちてくる事は無い、と断言しても良いですよ。


後、これは前回ちょろっと触れましたが、駆動系パーツではなく「エンジン」ってタレるのかと言えば基本的に

タレません、と私は分析していますし、さすがに全くタレないとは言いませんが「腰上」に関してはほとんど影響は

無い、とは言えますね。これはまたコンテンツにて一筆書こうと思いますのでしばしお待ち下さいませ。



とまあ、今回のコンテンツはおおむねこの程度の内容になります(汗

全然面白くねえと思われるかと思いますが、温度上昇があるといっても所詮こんなモンである、という事を

立証してみただけなので。



で、ここからはおまけコーナーになりますが。

これは掲示板等でもちょっと話題になりましたが、センタースプリング以外の部分の温度ってのはどの位に

なってるんだ?ってのも付け加えておきますね。


まずはクラッチアウター、意外と温度が高そうな印象がありますが…


アウター温度 クラッチアウター(外周)の温度は約45℃でした。

街乗りの様に短時間の間に発進&停止を繰り返していれば

もっと温度上昇は激しいはずですが、一度発進した後は

クラッチが切れる速度まではただの一度も減速しないという

サーキット走行だと、「連続走行」を行った後でもアウターは

ほとんど発熱していない、とも言えるんですね。



なおこの車両の構成の場合、走行時にアクセルをOFFにして速度が落ち、クラッチが完全に切れるのは

約25km/hなので、一番速度の落ちるコーナーでもコーナーリングスピードが35km/h程度のこのコースだと、

クラッチ自体が「走行中に」切れる事も滑る事も絶対に不可能なワケです。

そうなると、シューとアウターが「滑っている状態」なんて皆無に等しくなるので、発熱自体が起こりづらくなるのは

ご説明するまでもありません。


発進時や極低速時の再加速以外で「クラッチが滑る」なんて事はまずありえないと言っても良いですし、

これは真っ当な駆動系構成であれば、「加速中にベルトが滑る」なんて事と同義でありそうだけどありえない

現象である、というだけの事なんですね。

コレに関しては、クラッチのON/OFFを多用する街乗り用途の方がはるかに温度変化は大きいです。



次に、これはある意味一番興味深い所であると言っても良いですが、ベルトの温度なんかを。

とはいっても周辺の金属製ドリブンフェイス等はセンタースプリングと同程度の温度になっていますが

ベルト自体の温度としては…


ベルト温度 ベルト自体の温度は約83℃でした。

正直、ベルト自体が駆動系パーツの中では一番温度が

高くなっている、と言っても良いですね。

他にも色んな所を測ってみたりしましたが、おおむね

センタースプリング温度と同等かちょい低い(5〜10℃)位で

ベルトのみ+10℃程度はあったかいという(笑



とまあ、これは当然っちゃ当然でして、面積や体積の問題は抜きにしても、金属性の円盤等のパーツと

単純なゴムベルトを比較すれば、どっちが「温まりやすいのか」を考えれば一目瞭然なんですね。

だからこそ、「熱の影響を大きく受けるのはベルトである」という事に他なりません。

仮にフライパンでドリブンとベルトを炒めて調理するとした場合、どっちが先にこんがり焼けますか?と(笑


…センタースプリング温度は走行時には100℃位?、とかって仮説もどっかで見ましたが、仮に本当に

そこまで温度が上がる様な無茶苦茶駆動系構成だとすれば、ベルト自体はもっともっと高温になっていないと

つじつまが合わない、って事でもありますね。実に簡単な理屈です。


ここで少し余談ですが、「一般的」な工業用Vベルトだと最高常用温度は70℃もしくは90℃といった設定に

なっている物が大半ですが、ちょっと特殊なものだと100℃〜110℃でも常用が可能といった物も

あるみたいです。

(※NBK製細幅Vベルトという楔形がきつい規格の物だと最高常用温度110℃設定の模様。WEBから抜粋)


…これはホンダ&ヤマハ&スズキの開発者の方にでもお話を伺わないと確信は持てませんが、スクーター用途の

コグ付きのベルトであれば、いくらなんでもちょっと特殊な部類に入るかとは思いますが90〜100℃程度までは

常用温度で想定の範囲内、としている物を設計、採用している可能性はかなり高いと私は判断していますよ。

サイズ自体も一般的な「規格品」では無い事も、すでにそれを物語っているかなとも思っていますね。

スクーターのベルトだと「ローエッジコグベルト」というタイプに分類されるみたいですが、この辺も駆動系を

単純な「VプーリーとVベルト」として考えてはいけないという事の一環かなと。

ベルト側面はゴムが剥き出しな上、屈曲率を高め高効率で運用する為の寸法設計もなされているはずです。


で、それを加味しますと…結局は温度の問題で言うなれば、センタースプリングの温度がどうこうではなく

ベルト自体の温度が「正常動作する範囲内に収まっているかどうか」こそがカギなのであり、

少なめに見積もってもベルト自体が90℃を超える様な状態になりえる場合であれば、メーカーさん側でも

駆動系カバーに穴を開けたりエア導入システムを装着したりしているはず、といった臆測も立てられます。


結局の所、構成の不味さやパーツ劣化等を除いた場合だと、駆動系を正常動作させる為に一番大切なのは



「ベルトの温度」を必要以上に上げない事



これに尽きる、と言い切っても良いでしょう。

…私がこれを言っても今更すぎる感はありますが(笑

もちろん、余熱等を考えるとプーリー等も最低限度冷やすに越した事はありませんけれどね。


無駄なセンタースプリングの強化や必要以上のベルト側圧を生み出す溝角度のトルクカム、そして

ベルトを挟む(張る)力を過剰なまでに発生させる設計のプーリー等…これらは全てベルトに対しての

ストレスを増大させているだけの無駄な力であり、それはベルトの発熱にも繋がりやすい、という事も

イメージ的にお分かり頂けたかな、と思いますよ。


重い車体やベルトを引く力の強いハイパワーエンジン等の場合であればある程度のベルトを挟む力は

どうしても必須になってはきますが、運用上の限界温度を超えそうだとなればその分冷却も考えて

運用しないと駄目なんです。


私は元々駆動系冷却システムのない車両の場合でも、パワーを出すのであれば雨に濡れるとかの

多少のリスクを抱えても駆動系カバーへの穴あけは断然推奨する派ですが、元々穴とかの無い

原付一種の場合であれば、問答無用で穴をぽこぽこ開けてやっても良いと思っていますしね。


…スクーターチャンプの実験の記事でも、「センタースプリングを60℃に温めて数分のテスト走行後」には

40℃程度まで温度が下がっているという事が実は表記されていたりしますが、これは「駆動系カバーを

付けないで走行テストしていたから」なんてオチですから(笑

正直なんじゃそりゃ、って思ったという事もおまけで付け加えておきますよ。


そしてこの「熱の影響」にしても、その「熱自体が発生しているのは一体どの場所なのか」という点も

大切ですね。

「熱の影響が…」とは考えるとしても、じゃあ大元の発生源はどこなのよ?って事です。



そして最後におまけのおまけですが。


クランクケース温度 チャンバー温度


走行直後の各部温度ですが、左はエアシュラウドの後方のクランクケース温度、右はチャンバー表面の

温度になります。

クランクケース自体は当然のごとくそこまで高温にはならない物でですが、一説には70℃程度が適温だと

言われている面もあり、強制空冷エンジンではまあこんなもんでしょう、といった事なのかもしれませんね。

ちなみに、熱くなりそうなイメージのあるリヤブレーキシューの入っている部分なんかは80℃あるかないかでしたよ。


…これもまたちょっと考えれば分かるのですが、クランクケース自体も仮に100℃とかにまで温度が上がって

いたとすれば、クランク室内でもその位の温度なら下手すりゃクランクベアリングがケースから外れてしまいます(爆

いくらなんでもそれはねえだろ、という事で。


で、右の写真はチャンバー表面ですが…ノーマルマフラーより「排熱性」が高く、高温の排気ガスをある程度

排出しやすいチャンバーだと、ノーマルマフラーに比べてシリンダーの排気ポート周辺から後の部分に対して

熱的には優しくなったりします。

ただし走行風で冷却されやすい、という点もありエンジン停止すると一気に温度が下がりますからとりあえず

温度測るとこんなもんだ、という目安にしかなりませんが、停車時の「排気管の温度」としてはノーマルマフラー

よりは低いLVで維持されている、というのは皆さんも「感覚」でご存知かな、と思いますよ。

ちなみに、スポーツマフラータイプのチャンバーの場合だと、シリンダー内部に関しての熱の溜まりやすさと

いった点はチャンバーよりも大きく、熱的には厳しかったりという一面もあったり。



リヤタイヤ温度 で、これはなんとなく測ったリヤタイヤですが(笑

61℃程度ってのはちと低めといえば低めですが、

ブリジストンBT39SSのYCXコンパウンドでは61℃だと

使用限界を超えそうな温度ではあります(汗

でも夏場でも私はYCXソフトコンパウンドで困った事は

ありませんので1年中ソフトを履いていますね。




という訳で、さくっと実際のサーキット走行においてのパーツ温度なんかを視覚的にご説明して

みましたが、これは水銀温度計で測っても大差ありませんし、実際の温度的なものもある程度は

把握出来たかと思います。


…最近は何度も同じ様なコンテンツをダラダラ書いてるのでトドメを刺しておきますが、




いくら想定範囲外の過負荷の走行を行ったとしても

センタースプリング自体の温度は80℃にすら満たず

その程度の温度変化が原因で

「バネレートが極端に変化」する事は無く

それが走行性能に多大な影響を及ぼす事など絶対にありえない


そして、その微細な変化自体をどうこうと吟味しても

意味の無いLVであり

「そこ」にしか目が向かないのでは他の影響力が大きい点を

見過ごしてしまう


「センタースプリング強化でタレを解消」などという事は

戯言にしか過ぎない妄言である、と断言しても良い





といった感じでしょうか。

何度も言いますが、前回の件でもセンタースプリングが熱による反力変化が起こると言う事は

事実に他なりませんが、「だからどうなるんだ?」といった点をよく考えてみましょう、と…

じゃあ仮に気温が5℃変わったらキャブセッティングは全部やり直すべきなのか?という事と

同義ですからね。


そして結局、温度が高いパーツってどの部分でしたかね?

今回私が測った部分でも一番熱の影響を受けていてなおかつ温度が高い点、「その部分」こそ

熱問題を考える時には最重要視すべきなのです。


とはいえ、明確な対策としては過剰な側圧をかけない事と冷却効率のUP程度しかありませんが、

ベルト自体が劣化しきっているとか油分を含ませた事があるとか、そういったメカニカル的な劣化の

問題については普段から気を遣えますね。

…これ、極端な言い方をすれば幅が減ってなくてもゴムとしては劣化してる場合があるんですよ。

仮にオイルシールにしても、組まれたまま古くなってきている物だと変形したままになっていますし

弾力も弱くなるのでゴムとしての意味は全く無いですから。


また以前に書いた事と重複しますが、


ベルトという物は駆動系パーツの中でも、一番寸法の変動が激しく不安定な物なので、

きちんと理解しなければ全く意味の無いパーツになる


…という事を念頭に置いてモノを考えるべき、という事です。


後、使い込んだベルトで理想の幅や長さを見つけ出す、といった手法もありますが、あれはあれで

誰が使ったか分からない物や、過去にどんな使い方をしたか覚えていない物であれば、イマイチ

信頼性には欠けてしまうんです。

プーリー等であれば新品交換で事が済む事も多いですが、ベルトを吟味するならば新品から自身で

きっちりと運用してしっとり馴染んでいる物を使う、というのが最良であると私は考えていますよ。

いつか書いたかも知れませんが、ホンダの純正でもGBCやGFCの物だと「ハズレ」も多いという事すら

当たり前の世の中になっていますからね…



と、簡単ではありますが今回は補足の補足、といった感じで締めさせて頂きますね。

…正直、この件はここまで深く突っ込むつもりは無かったのですが、前回のコンテンツの公開後に

ちょっと揚げ足を取られる様な事を発見してしまった事もあり、ちゃんとしたデータ的なものも出してみた、と

いう事で。


私も、今現在のこの結論に至るまでは色々な可能性を考えて来たのですが、結局は現時点の「ベルトに

付与される特性変化」が一番大きいのではないか、といった所に辿り着いています。


これは私の他の所の分析にも言えるのですが、「一つの方向性と理論のみ」を追求しただけの結論では

ありませんし、多方面からツッコミを「自分で」入れてみて、矛盾が無く整合性が一番高いもの、と

いった理論を採用している、という事になります。

別角度から切り込んであっさり矛盾が出る様な理屈では、一見合っていそうに見えても実は違っていると

いう事はよくありますしね。

…私も昔はセンタースプリングが一番におかしくなるんじゃないか、はたまたプーリーなのかドリブンなのか

WRなのかクラッチなのかギヤなのかクランクなのか等々、いろんな方向性で考えましたから(笑


さてさて、「駆動系の熱ダレについて」のコンテンツ、ここまで全てお読み頂けた方であればもはや何が

どうなっているのか、といった事は把握されているかと思いますが、風聞や一般的な定説のみで物事を

判断すると、本当の「理解」には辿り着けない事の一つである、といった点もご留意頂ければ、と

思っておりますよ。


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