2008年6月15日 SS1/32mile 岡山笠岡戦




ほいほいっと。今回は早くも08年3度目のSS参戦記になります。

今回は今期より新規開催の、うどん王国より海を挟んで反対側の岡山県、笠岡ふれあい空港という場所での

SS開催になってますが。

ちなみにココ、岡山とはいってもほぼ広島寄りなのでうどん王国からさほど近いってワケでもありません(笑

おそらく来期よりは高知のモーターランド立川でのSS開催は無くなってしまうので、地元を除けばココが

一番近い開催場所になりますね。

…5年間続いた立川戦が無くなるのは悲しいですが_| ̄|○



では初めに、今回の私のエンジンについてでも語っておきましょうか。

前回まで謎のリング合口破損等を繰り返してきた謎トラブルでしたが、今回はその辺りの耐久性に優れるという

キタコ製ピストンを導入してみました。

で、これは真面目に使った事が無い品なので、どんな特性を持っているのかを見極める為、まずは各部の

寸法を取り、形状の見際めを行ったのですが…


なんとこのピストン、ノーマルや一般的なピストンに比べ、かなりの「寸胴」になっているんですよ(汗

これは、ピストン上部と下部の縦方向の寸法差があまりないと言う事で…普通、ピストンクリアランスはピストンの

スカート部辺りを計測してシリンダーとのクリアランスを決めますが、このピストンだとスカート部の数値を

アテにして常識的なクリアランスで使ってしまうと、熱膨張が大きくなるピストン上部のクリアランスは

全く足らない事になってしまい、温間だと完全に抱き付きの原因になる事が明確な寸法、と言う事です。


(※余談ですが、いくら慣らしやセッティングをしても抱き付く安物ボアアップKITとかってのは、こんな所は

全く考えられていない&精度が出せていない事がかなり多いんですよ。「元」が悪いのではいくら他で

誤魔化してもまともに動く訳無い、と言う事です)


ちなみに、ノーマル新品シリンダーにこのキタコピストンを入れても、かなりクリアランスは狭くなっていて

そのまま使うのは危険だと言う事は知っていたので改めてピストンクリアランスを考えていたのですが…

このピストンプロフィールの件により、余計に悩んでしまいましたよ_| ̄|○

結局、上半分がふっといピストンだと言う事で、温間時のクリアランスを十分に取る為に、スカート部で

「8/100」という、かなり広めのクリアランスを取ってホーニングせざるを得ませんでしたね。

(通常、私がまともなピストンでピストンクリアランスを取る時には4/100〜5/100程度です)


こうなると…冷間では首振りが酷くなるので十分な暖機を行わないとエンジンの寿命を縮めてしまうのは

間違いないので余計に運用が難しくなりますね。

そしておまけでこのピストン、左右方向…つまりピストンピン全長方向の径、コチラはなんとノーマル値よりも

かなり狭くなっていて、寸胴のワリに横幅も狭いというなんとも変わった形状になってましたね(笑

ですが、リングの良し悪しや耐久性を確認するにはハナから破損覚悟でこれを使ってみるしか無いので…

ピストントップ形状も違うのでそれに合わせたヘッドもひとつ設計&製作し、もちろん圧縮比は変えずに

ピストンのみの性能…いや耐久性等の把握の為に挑むレースと割り切っています(笑


…これで壊れなければ御の字、程度のスタンスでしか挑めないのはつらいですが、これ以上トラブルを

引きずり続けるワケにも行きませんからね_| ̄|○



でもって今回の参戦は…海を渡る場合は誰かと旅費を折半して行くのが基本の私なんですが。

今回は僚友はぶっくすことN氏が家庭の事情で参戦できない為、今回はどうしようかと悩んではいたのですね。

エンジンも一応組み直した事で参戦したいかな、と考えている時に、REXPOWERからお誘いがありまして

青木大将&REXGT2号のヤスキ氏との同乗で岡山行く事とあいなりましたよ。


で、土曜深夜にうどん王国まで私を拾いに来て貰い、そっから私が運転手となり数年ぶりに瀬戸大橋を渡り

岡山入りしました。

ちなみにですね、うどん王国からは広島までのフェリーもあるので、楽する為に最初はこれの利用を計画して

いたのですが、10年ぶりに時刻表を確認するとなんと休日前の深夜は運休になっている上にお値段も

かなり上がっていて便数も減っていて…なんとも時代のアオリを喰らっている事に憤慨しつつも、一切の

割引の無いぼったくり瀬戸大橋を通らざるを得なくなったという_| ̄|○

…地元では瀬戸大橋ってのは、開通直後より通行料金の高さで全くもって人気のある交通手段では無いと

言うのが基本だったりするんですけどね(笑

時間的制約が無ければ出来る限り乗りたくないんですよ。ETCでも深夜、通勤割引すらありませんしね…


と、そんなこんなで笠岡ふれあい空港までは青木氏の車のナビでストレートに来られましたが、なんとも僻地で

実際の入り口がどこかわからずぐるぐる回っていましたけど(笑

なんとか無事到着しましたよ。


で、5時過ぎだったので多少は寝ておくか、と青木大将の安眠妨害トークをかいくぐりなんとか休もうとしましたら

何かコースの方では4stミニが何台も爆走しているんですが…しかもヘルメットも被らずに。

最初は計測器の調整かと思いましたが、どうやらそれだけでは無い模様で。

普通はね、競技時間以外ではエンジンの始動はダメってのが定番なんですが、いくらサーキットではない

クローズドコースだとしても、走ってた連中はこういうトコは治外法権とでも思ってるんでしょうかね?

これはSSと併催の4stミーティングの参加者の様でしたが、それを黙認するスタッフもちょっとどうかと思った

一件でしたが。

さすがに1発目の開催で至らない所もあるかとは思いますが…次回は改善される事を祈りたいですよホント。

…ちっとは他人の迷惑考えろっての(笑



と言う訳で…天候は曇りっぱなしで怪しいですが、早速エンジンを掛け暖機を始める…前に(汗

忙しくて自分の両隣りしか写真撮ってない意味無いマシン紹介のみを少々。


いつもと変わらず まずは私のGだっすですが何も変わってません。終わり。

…では意味無いので、今回はキタコピストンの導入がメインで、他にも投入パーツを2つ用意してたりしますね。

ただ、この辺はエンジンの耐久性を確保出来てからの話になりますが。

今後の「武器」が無い訳では無いのでまだまだ進化の余地はあったりするんですねこれが(笑




腰上が変わってたりします そして今回もREXからの参戦、REXヤスキ氏の「REXPOWER GT2号」です。

KLS戦ではWR自己更新にあと少しと迫るタイムを叩いたものの、今回はシリンダー等を作り直した新規の仕様でアタックですね。

そしてキャブも32φPAXという強烈な物を組み付け、テストではありますがさすがにこれが吉と出るか凶と出るかは…

あ、燃料も今回はおNEWな物を投入していますが、これは企業秘密って事で(汗



毎度おなじみひふみさんスカイ でもって愛知から参戦のひふみさんのスカイですね。

今回は前回のKLSでのピストン爆裂から完全にエンジンを作り直しての参戦です。

シリンダーまでダメになっていたのはなんとも痛いかと思いますが、それでも修復&セッティングを終えてくるあたりはさすがですね〜




相変わらず独特なライブですな〜 ほいでもってマシン紹介では常連化して来た感もある同郷人、那須農園君のSB-GTライブです。

前回KLS戦にて目標であった秒台は突入したので、今回は駆動系の小変更等で更なるタイムUPを狙ってます。

そしてもう少し発進を稼ぐ為にエンジンハンガーを完全固定という荒業も投入してますね。




以上、マシン紹介終わり(笑

…今回はですね、飛行場と言う事もあって会場がめっちゃめちゃ縦に長く、他の人の所を回ってる余裕が

全く無かったのでご容赦をば_| ̄|○

ぶっちゃけると、今回あまり面白いレポートでは無いので斜め読みでお願いしますね(泣



さてさて。受付を済ませエンジンを暖機し、早速1回目のアタックの時間が来ましたが。

そうそう、ここの計測方式はちょっと特殊で、フリーアタックそのものの回数は5回なんですが、その間は

基本的に何度走行してもOK、しかもタイムは全て記録されるという面白い方式なんですね。

なので、10回走ったとしても、悪い順にタイムが抹消されていくだけで、かなりお得感が大きいですよ。

ただ、6回以上走行していると走行回数少ない人が優先走行になるので、後ろに回されますけどね。


でもって今日の調子を確かめる為、暖機しつつエンジンの調子を確かめますが…

これがなんと、前日までにある程度はセットを取っていたはずなのにエンジンが全く吹けず、前回のKLSの

悪夢が蘇るも、ジェット変えまくったりしながらなんとかプラグ2本の犠牲でキャブセットを決めますが_| ̄|○

MJ10番ダウンと言うちょっと納得行かないジェッティングになってしまいましたよ。

と、横を見るとREXGT号もかなりキャブで苦戦していて、同じく10番近くジェットをダウンさせてやっとこさ

回る様になってました…


で、なにはともあれ1発目の間隔を掴む為、練習レーンにも行かずいきなりアタックに望みます。

もちろんこれが50m走行ではキタコピストン仕様のシェイクダウンといういつもながらの(以下略


が…エンジンを適度に温めある程度フケる事を確認してレーンに並んだのですが、風が吹いているのもあり

20分位でやっとこさ私の走行順が来た時には、モロにエンジンが冷えていまして(汗

レーン寸前でエンジンを触ってこれに気付き、こりゃヤバいと思い急いでエンジンをかけ暖機するも時間が足らず

そのままスタート、でもって予想通り50mの全てをハボハボ言わせながら走りぬけてしまいました_| ̄|○


もちろんタイムは話にならんタイムでしたが、これはやむを得ないですね…

待ち時間をちゃんと計算しろって事で(笑


そして今度はまたキャブをちょこちょこイジり、2回目のアタックですが。

今度はまともにエンジンも回り、ニードルが濃い症状を残すものの、タイムは4.251と。

タイムは微妙ですが変速回転数は13500rpmでいつも通り、めっちゃ遅い事は無いって所で一安心です(笑

キタコピストンの実走でまともにエンジンは回りましたし、発進時の力も以前より出ているのでエンジン構成には

問題無いと判断し…これで今日の目的は半分達成ですが(笑


そしてロスした時間を取り戻す為にまたすぐにアタックですが、ジェットニードルを交換し他は一切変更無しで

アタックしますが何故かタイムは4.338…(汗

エンジンのパワー感のワリには前に進んでいない症状を感じつつ、これは駆動系がおかしいのではないかと

思いつつここで午前中終了となりました。



そして迎えた午後のアタックですが…ここで一つ、今回実験予定のアイテムを投入する事に。

時間が無いと作業が出来ないと言う事もあり、昼休み中に急いで装着しましたが、そのアイテムとは…
















WORKSヤマナカ製チャンバー






WORKSヤマナカ製



ワ ン オ フ チ ャ ン バ ー






だったりしますが。


これはかのヤマナカ氏とお話し、私の好みに合った物を作って頂けると言う事もあり、モニター価格で

作製して頂いたんですね。

実際には取り付けのつじつまを合わせただけでエンジンすらかけていないブツなのですが、実走で

フィーリングを試すのであれば今回しか無いので、タイム等は度外視でこのチャンバーの特性を掴む為の

テストという事にしました。

ちなみにコストダウンの為にサイレンサー&テール部分はいもむしチャンバーの物を流用してますが(笑


これはKozzyチャンバーよりわずかに太く、各部テーパーも違っていますがパワーバンドは13000rpm辺りを

狙っている物なので、特性のみの理解を狙ってまず走ってみますが…

素でポン付けのみだと変速回転数は13200rpmですが…なんともベルト&変速具合がかなりおかしく、

トルクカムを変えようか悩みますが、とりあえずは単純な性能比較の為に4本目をアタックしますが4.354


…空ぶかしだとかなりパワー感も出ていて、発進のトルクも結構向上した様には感じたのですが、

実際走ってみると乗車中のエンジンパワー感は結構あるものの、「前に進んでいる感覚」はイマイチで

確実に駆動系が合っていないと判断しました(汗

そして発進はちょっと唸りすぎの感があったのでクラッチシューを変更した5回目アタックでは4.368と…

全然変わってませんが、駆動系のおかしな部分は分かり始めて来ましたよ。


4、5回目のアタックでは発進〜中盤までで確実にベルト滑りの様な物を感じており、明確にパワーが上がった感も

あったのでトルクカムの効きが弱いと判断、溝角度を5°寝かせたSPLトルクカムを使い6回目をアタックしますが

今度は逆にエンジン唸りすぎてしまいタイムは4.580と…_| ̄|○

発進はかなりマシになりましたがパワーバンド変速中にはモロにベルトがばっつばつな感じでしたね(笑

…しかしたった5°の溝角度差でここまでフィーリングが変化するのは今だかつて経験が無いので狼狽しましたが。

それだけエンジンパワー出てると言う事かもしれませんし、元々立ちすぎのトルクカム溝ではダメな確信が

出てきてしまいまして…パワーと駆動系のバランスとは言えこれは正直かなり予想外です(汗


なので…ここで普通っぽい加工を施してあるトルクカムに交換…するつもりだったのですが。

なんと



見事にそのトルクカムを忘れてきてる罠_| ̄|○_| ̄|○



…これじゃあどうにもならんですし、普通っぽいとはいえオリジナルな溝なので他の人に借りられるワケもなく。

根本的なベルトを挟む力を変えられないのではどうにもならないので、本日のレースはここで終了、と_| ̄|○

まさか今までと違う方向にトルクカムの力を変えないといけないとは思いもよりませんでしたと言う事で(泣



が、これではいくらテスト目的のレースとはいえちと悔しいので、もういっこの秘密兵器を実験して帰る事に。

それは…




PWK28改29φPAX加工キャブ




PWK28φ改



PWK29φPAX加工キャブ



って事で。


何故こんなもん持ってるのかと言いますと、別に新しく買ったワケでは無いですよ?

ただ、我がFS-JOGに付けてたのをもぎとってきただけという(以下略


これはあまり距離を使ってない極上品なのでFS-JOGに付けっぱなしにしていたのですが。

SAエンジンでも意外といけるのではないかな、と思い考えていたんですね。

口径だとたった1φの違いですが結構体感は出来る物ですし、PAX加工によりレスポンスの向上と

吸気の安定を狙っている真面目なキャブだったりします。


たまには何気無いひとコマ でもって早速中身だけ入れ替えてエンジンかけると真ん中辺りは見事にセッティングが合わず(笑

またニードルを変えたりしてまともに空ぶかし出来る様になると、これまた結構良いフィーリングですね。

…スローパイプが無いのでちょっと下がシビアですが、なんとかかんとか合わせましたよ。

この時点で残り時間も無く、最後の1回を並んで走ったらおしまい、って事なので早速最後のアタックに向かいます。


あ、トルクカムはちゃんと元に戻してますよ(笑


そして最後の1本、吹け上がり自体はかなり良い物を感じますがやはり加速中の感覚は違和感があり…

あまり変わらないかなと思いタイムを見ると…4.274と。

意外とキャブの効果が出ていましたね〜

駆動系もろもろは午後一発目の4秒354の仕様に戻しているので、キャブ交換だけでコンマ1位は上がってると

考えても良いですねこれは。

なかなか興味深い結果になったので、キャブはしばらくこれで行こうかなと思いますです。



とまあ、これで7本計測したワケですが…タイム自体は2本目の4.251が結局本日のベストとあいなりましたよ。

前回のKLSだとKozzyでもいもむしチャンバーでも4秒1程度出ていたのですが…あの時はリング合口欠けと

スーパーリードスタッファーがあったので今回はもちっと行けるかと思っていたのですが。

意外とエンジンのパワー感のワリには前に進まないという結果になってしまいましたね。


ちなみにですね、今回はキタコピストン導入があり、いつものリング欠損が一番怖かったので、プラグを

外した時には必ずクランキングさせてエンジン本体の圧縮を確認していましたが、感覚での圧縮は

落ちている事なく、リングの破損や欠損は全く無かったという、一番肝心なトコは今回は解決されていたと

言う事は実証出来、心底ほっとしましたよ(泣

もちろん帰宅後にリングを見ても合口の欠けや明確な破損は無く、リング合口クリアランスもホーニング直後には

0.35oだった物が0.36〜37o程度になっている程度で、全く持って問題なし、と言う事ですね〜


…いやはや、とりあえずは壊れなければOKと言う事でしばらくキタコピストンで様子を見たいと思いますよ。

1レース終って何もリング周りにトラブルが無かったのは2006年11月の立川戦以来だったりしますが(爆


そして今回、新規に腰上を作り直してWRの自己更新を狙うREXGT2号ですが。

これね、出発前に私の家まで青木大将とヤスキ氏が来られた時に


何故かトランポ内にツナギもヘルメットも無い


のが気になってはいたのですが(汗

…お察しの通り、私にライダーとして走れと言う指令が下され(以下略



んが、実は私ですね、この日は


何故か体重増えてて楽勝で60kgオーバー


だったのですが(滝汗



…これを現地で青木大将&ヤスキ氏に告白するともうかなりの嫌ムードが辺りに漂い始めまして。

これでもお二方よりは軽いんですけど、WR更新を狙うとなるとちょっと納得出来ないデブり方なので(汗


ですが私、こんな事もあろうかと…お隣PITに陣を構えた那須農園君にちょろっと声を掛け




「ねえ、ちょっと軽〜くWRレコードライダーになってみる気は無いかい?」




と上手い事甘言を持ちかけ、REXの代理ライダーとして起用する事に5秒で決定しましたが何か?


つーかこのままではちとデブってる私の所為でREXのタイムが伸び悩んでしまうという事にもなりかねず、

後々の事を考えて保身に走っておいただけという(略



とまあ本気の冗談はおいときまして、彼は体重50kg前半台なのでSSライダーとしては十分な体重なので

皆で期待を掛けたのですよ。

さすがにこの体重差ではコンマ1も違わないとは思いますが、それでもGTという重量制限がある以上、

わずかでも軽量である事に損は無いので…


そしてREXGT2号、最初は独特なスタート方法やエンジンの水冷である為の熱管理等にライダーが悩まされ

4秒5〜6をうろうろするというタイムでして(汗

途中で私も変わろうかと思ったのですが、その那須農園君自信のSB-GTライブのサポート&自分のマシンの

キャブセットに悩み、とても手が開かなかったので(泣

しかし何度も走る内、かなり良いタイムも出始めたのですが何か一発が足らないらしく、結果的にはWRには

わずかに及ばない4.195がベストとなりました…

ですがこれでもKLS戦よりは安定打と言う事で、新造エンジンの特性を掴めただけでも良し、といった結果で

レースを終えましたよ。

ちなみにこのマシン、9回もアタックしていますしね(汗



そして那須農園君のSB-GTライブ、今回はエンジン内部は手を入れなかったので、小変更した駆動系の

特性を掴む方向性でのアタックを、と指令を出しておいたのですが…

なんと固定してしまったエンジンハンガーの悪影響でホイルスピンしまくってイマイチタイムが伸びません…

途中からはリヤタイヤの空気を極端に抜いた上で、ホイルスピンするどうかを横から確認しまくるも、

全くもって完全にはホイルスピンを止める事が出来ず、かっこ悪くても良いから後ろに乗ってみて、とか

試して貰いましたがそれでも自己ベストの3.988には本当にわずかに及ばす、4秒0いくらを連発し、最終的には

4.007という、非常に惜しいタイムで終了となりましたよ_| ̄|○


…これね、私の偏屈理論をいつも読んで下さっている方にはお分かりかと思うのですが、エンジンが全く

動かない様に固定してしまうと、本来ホイルスピンする方向の力がハンガーの動きで逃げているのに、

それが全部タイヤ設置面にかかってしまい、結果的にホイルスピンを誘発するんですよ。

サスもエンジンハンガーも動かないと、よっぽどタイヤの空気圧を低くしないとパワーが過剰の場合は

ホイルスピンしてしまいますが…「走行中」にタイヤの空気圧が異常に低いとそれこそ重大な走行抵抗に

なっていると私は思うのですけど、ね〜

リジットハンガーでもホイルスピンしないフレーム構成が出来るのであれば良いですけど、GTではそれは

無理ですし…

ちなみにドラッグスリックでも無い限り、走行中にタイヤが遠心力で膨らむなんてありえませんので(笑

…だから朝一でエンジン固定はやめた方が良いと言ったのに(以下略



次に毎度おなじみ行動力抜群のひふみさんですが。

前回のKLSにて破損したピストン、クランク、シリンダーは全ておNEWの物を投入されたエンジンですが、

一発目から3秒9台を連発され、かなり良い調子に見えましたよ。


そして3本目には好調のまま3.872と…

ついに3秒8台に突入されましたよ〜

もちろん見ててもいつも以上に速かったです。


ほいでもってそのまま快調にアタックを重ね再び3秒8台の3.881を記録、そして最終的には3.864と。

前回の鬱憤を晴らすかの様な自己ベスト更新しまくりの素敵アタックでしたね〜

いやはや、上り調子すぎてひふみさんの後ろに後光が見えましたが何か(笑


…しかしまあ、これでもう簡単には追撃の手が届かない所まで引き離されたかなと思ってしまう今日この頃(泣



はい、レポートはこんだけしかありません(断言

と言いますか、回り見てる余裕はあまり無かったのですけどね。

別にいつもみたく気合い入れずリラックスはしていたのですが、それでも上り調子で無いとさほど余裕が

出ないのは…SSにこだわらず何度レースを経験しても慣れる物ではありませんね_| ̄|○

緊張する事には慣れているんですが、余裕って難しいですよホント。


ですがそれでも印象に残っているのは、SBの「赤い彗星」さんの大活躍ですよ。

この方、色々な方のマシンをライディングし、全て高記録を叩いているという凄い人だと感じていますが、

今回も3〜4台のマシンを乗り継いでライドし、全部高記録と言う(汗

いやはや、こういったパワフルな方はお手本として見習わなければならないな、とも思った一日でしたよ。



と言う訳でして…

私としては今回ばかりは結果を求めたレースでは無かったのですが、前回不具合があったエンジンに比べても

コンマ1もタイムが伸び悩んでいるのはちと納得出来ないレースになってしまいました。

ですが、今回の最大の目的である、「SSで1レース運用してもリング回りの破損は無い」と言う事は

確実に実証されたのでこれだけでも大満足ですよ。


私、レース後には帰宅して即エンジンを開けて中身確認するのが習慣なんですが、今回はリング合口の

破損は全く無く、以前の破損原因はともかく安心は出来るという結果になりました。

これはもう、キタコピストンで運用しろって天のお告げだと考え、今後はキタコピストンでエンジンを運用しますよ…
























で、ここいらでいつものアレでも行っときますかな?

「何でじゃ!」と思われる方も多数おられるかと思いますが、別に私もネタの為にトラブル起こしてるって

ワケでは無いのはご理解下さいよ?

ただ、今回は気になっただけと言う点なのですが、ネタには十分だと思うので(笑

やはり自分の身を削ってネタをチョイスするのがお笑いの正道だと思ってま(以下略




とまあ、今回は何があったかと言いますとですね。

これは別に大した事無いと言えば無いのですが…ヘッド、と言いますか燃焼室に結構ポカがありました_| ̄|○




巣穴の行方は



これ、今回キタコピストンに合わせて作製したおNEWヘッドなんですが。

ヘッド作成時にあまり深堀りしすぎると「巣穴」が出やすいと言うのは皆さんご存知かと思います。

このヘッド、設計上の段取りでは最初に5oの面研が必要な寸法だったのでかなり面を落としているのですが

写真で黒くなっている巣穴、かなりデカい物だったんですよ。


スキッシュエリアの末端と言うかなり嫌な所にあった穴なので気にはしていたんですが、実はなんとこの穴、







ガスケットで隠れている面まで穴が貫通していて


そこから見事に圧縮が漏れ


ガスケットからも圧縮抜けて濡れ濡れだった罠


_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○








…なんとまあ、作成時には全く気付かなかったのですが。

実はガスケットで隠れている面にも巣穴があったのですが、まさかこの穴と貫通して繋がっているとは

夢にも思いませんでしたよ_| ̄|○

今まで他作&自作でヘッドは多数加工してきましたが、さすがにこんな事は生まれて初めてですよ(笑


実際問題として、何かエンジン実働時間のワリには燃焼室の焼けがほぼ無いのもかなりおかしいんですが、

それ以上に、この穴の回り+αの所だけ異常にカーボンが堆積していますよね。

なのでここだけが異常燃焼を起こしていた事は間違い無く、燃焼効率に1番影響のあるスキッシュエリアにて

こんな事が起こっていれば、ヘッド全体の燃焼状態はどうなっていたのか想像も付きませんよ…

少なくとも、2次圧縮抜けも含めて確実におかしい所があった、と言う事です(泣


プラグを抜くたびにエンジン圧縮は確認していましたが、やはり面倒くさがらずに1度位はヘッドを

はぐってみるべきでしたね。

そしてせっかく苦労して作ったのにこのヘッドはもうゴミです。

…作製当初より穴がでかくなってる&ヒビが発生している様に見えるのは気のせいと信じますが_| ̄|○





















さて。

今回これで終わりではありません。


ここからはネタではなく真面目な話としてお読み頂きたく思いますが…

例のピストンリング合口欠損の原因なんですが、今回何も破損が起こらなかった事で、逆に見えてきた点が

ひとつあるのでそれをご紹介しておきます。


ではとりあえずコチラ↓をご覧下さいませ。




こっち側だけアタリ強いという






これ、今回キタコピストンに合わせてホーニングしたシリンダーの内壁なんですが。

この写真にある「内壁の右側部分」のみ、強烈なアタリが付いてしまっています。

(※爪が引っかかる様な深い傷ではありません)

ちなみに左側はほぼ無傷だったんですよ。


前述の通り、ピストンクリアランスは8/100と、かなり大きめにホーニングしたのでシリンダーの前後方向には

こんな感じの強いアタリが付いてはいました。

が…これも前述しましたが、


キタコピストンは「左右方向」が「前後方向」よりもかなり細い


ので、いくらピストンクリアランスが大き目とはいえ、シリンダー内壁側の左右方向にこれだけのアタリが

付く事なんてありえないんですよ。

むしろ、このアタリの箇所以外はまだホーニング跡が残っている様に、左右共新品同様の内壁状態であれば

まだ納得が行ったのですが。


しかも片側のみがここまでピストンで削られると言う事になれば…

これは確実に














コ ン ロ ッ ド が 




曲 が っ て い る











と言う事になってしまいますよ…_| ̄|○_| ̄|○



このコンロッド、と言うかクランクシャフトは今期の腰下を組む時にも新調せず、芯出しのみ行って

そのまま使っていた物なんですが、通常は多少芯がぶれていても腰上がこんな状態にはまずならないんですよ。

各部のガタ等で多少の偏芯は相殺されますし、芯ブレだと意外と影響は少ないんですよね。


が…これは確認のしようが無い所ですし、曲がっているといっても目視で分かる程では無いので

今まで気付かなかったのがあるとは思いますが。

例のリング合口破損も、トップリングのみにしか起こらなかった事を考えれば、コンロッドのおかげで

ピストンが異常に傾いて動いていたと考られ、「毎回同じ所が破損する」のも納得出来るんです。

いつから曲がっていたのかは明確には分かりませんが、万が一これがリング合口破損の原因であるならば

他をいくら考えた所で結論なんて出る訳無いんですね。

私自身、「コンロッドにトラブルがある」等とは全く考えていませんでしたから…


ちなみに今期新品シリンダー&ピストンを組んだ時には、純正同士のクリアランスの狭さもあったかと

思いますが、シリンダー内壁の左右面はここまで酷いアタリは付いていませんでしたよ。

(「前後方向」に首振りを起こしにくいので、それ以上にピストンは左右にブレる事はありません)

…正直に言うと「ん?右側内壁がなんかアタリ強めだな…」とはほんのわずかに感じてはいたのですが

その時はリングが完全に掻いて弾け飛んでしまってから初めてエンジンを開けたので、内壁のギタギタに

気を取られそこまで気が回らなかったというのもあり…なんとも間が悪いです_| ̄|○


まあこれはもう今になって言っても始まりませんが、トラブルが多発した「元々のエンジンパーツ」だと、

残っているのはこのクランクシャフトしかありませんから、これのせいだと思えばまだ楽になりますよ。

一応過去のデータも見ましたが、エンジンがロックする様な焼き付きは一度も起こしていませんし、

昨年度には多少芯ブレが出てきたかな、と感じた位だったので、正直いつこうなっていたのかは

闇の中ですが…


…一つだけ思い当たるのが、「上死点でのピストンの肩落ち」が「0.1〜2o程度増えていた」と

感じた事あった、とレース記録には書かれています。

これ、非常に微妙な差なので、シリンダー全長の誤差やベースガスケットの潰れ具合からこうなって

いるのかと自分では軽く納得した様ですが、まさかこの時には明確にコンロッドが曲がっていたとすれば…

この記録は2006年11月の立川戦(ベスト4.210)の物なので、そこからはずっと曲がったコンロッドで走っていた、

と言う事になってしまいます(汗


これも記録を見ると、リングトラブルが起こり始めたのが丁度その次のレースになっていて…

それと次の2戦は、明らかな排気ポート過度拡大によるリング掻きが連発していたので、

合口破損「のみ」は無かったといえば無かったと言う事になっておりまして。

その次からシリンダーを変更してリング合口がぶっ壊れまくっているので、関連付ける事はまだ可能だと

言う分析結果になってしまいましたね。


クランク、いやコンロッドには明確にダメージを与えた記憶も記録も無いんですが、実際曲がっているとなると

問題と言えば問題になり…この台湾クランク、コンロッドの形状は純正の様な強度を重視した「H断面」では

無いのでここだけは気になっていたといえばいたのですが、実際に「コンロッドのみ」の耐久性自体は純正より

低いのでは、と言う事にも繋がりかねませんね。

もちろん通常仕様では私もいつも言っている様に純正よりは各部の強度はあるかと思うのですが、

常軌を逸した使い方&回転数だとやはり不安な所もある、と言う事で。



という訳で。

100%の断言は出来ませんが、今回のシリンダーの「片側アタリ」により、コンロッドが曲がっている事は

ほぼ間違い無い上、今まで幾度と無く繰り返したリング合口破損はこれが多大な要因の一つだったのでは

無いか、といった分析になってしまいました。

…まあ、どちらにしても今期のエンジンはクランクシャフト交換は避けられない事になります_| ̄|○

レース用のエンジンで2回目を割るというのは私嫌いなんですが、これは仕方ありませんね。


しかしまあ、本当にコンロッドがリング合口破損の原因だったとすれば、これに気付かずに1年以上の

時間と数万単位でのお金を無駄にした事になりますけど…

んま、そんな事言ってたらお金を捨ててナンボを覚悟しなければならないレースなんてやってられませんし(笑

私ゃチューナー的な人間ですから、無駄うんぬんよりも「破損原因」がほぼ解明された事の方が嬉しいですね。

…うん、すっきりした(爆




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